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序章 第十四話「同胞」 

Author: 鈴谷凌
last update publish date: 2026-04-09 12:15:24

 相対する魔人の顔は、この三年のヌールでの生活で見慣れたものであった。

 鑑定屋の店主、アラン――今朝の鑑定屋での出来事は、まだ記憶に新しかった。

 ところが、今目の前にいるアランの顔をした魔人は、人間のアランとは全く異なる姿形である。

 エルキュールはもう一度彼の姿をその眼に焼き付ける。

 相変わらず、人間よりも一際大きい身体には至るところに赤い魔素質の痣が広がっており、胸元の深紅のコアが魔人の纏う布の切れ端の隙間から覗かせている。

 紛うことなき魔人なのだが、その相貌にはアランの面影がくっきり見て取れる。

 それが意味することはもはや一つしかないのだが、エルキュールはそれを直視することができないでいた。

「へーえ、名前を聞く前に魔人になっちゃったから分からなかったけど、このお兄さんはアランって言うんだね。……ふふっ、呼びやすくていい名前ね」

 必死にその事実から意識を背けていたエルキュールに、フロンは無邪気な言葉を以て真実を突きつける。

 もはや逃げることは叶わない。あの魔人はアランが汚染されたことで生まれたのだろう。

 魔物の持つ汚染能力。言葉では知っていたエルキュールだったが
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